小児慢性特定疾病児童等が利用できる補助・助成制度とは?一覧にしてご紹介

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子どもが病気にかかったときや、小児慢性特定疾病になった場合に利用できる補助・助成制度は、実はたくさん用意されています。

子どもの医療費は、自治体によっては18歳まで無料となっており、病気に対しての補助や助成の申請は必要ないという考え方もあります。

しかし、日々成長・発達していく子どもたちのライフステージに合わせて、さまざまなサポートを受けるためには、医者・ソーシャルワーカー・自立支援員など、相談できる窓口を複数持っておくことが大切です。

病気に対する補助・助成の申請を通して、医療や教育など様々な専門職とのつながりを作ることで、子どもたちの成長に合わせて継続的なサポートを受けられます。今回は、小児慢性特定疾病児童等が利用できる補助・助成制度をご紹介します。

※小児慢性特定疾病児童等とは?
小児慢性特定疾病とは、18歳未満の子どもたちに影響を与える持続的な病気で、厚生労働大臣が認定した疾患のことです。治療や医療費が長期間必要で、2024年2月現在762種類の疾患が認定されています。

小児慢性特定疾病児童等が受けられる補助・助成一覧

小児慢性特定疾病児童が受けられる補助・助成は以下の通りです。

  • 乳幼児・子ども医療費助成制度
  • 小児慢性特定疾病の助成制度
  • 特別児童扶養手当
  • 障害児福祉手当
  • 自立支援医療制度
  • ひとり親家庭に対する医療費助成
  • GRN小児がん交通費等補助金制度
  • がん患者へのウィッグ購入費用助成制度

下記で、それぞれの詳細をご紹介します。

乳幼児・子ども医療費助成制度

乳幼児・子ども医療費助成制度は、自治体が子ども(主に中学生以下)の医療費を一部または全額負担する制度です。ただし、市区町村ごとに基準が異なります(対象年齢や扶養者の収入制限など)。

基準や助成範囲の詳細は、住んでいる自治体の児童福祉等の担当窓口に問い合わせてみましょう。申請すると、市区町村から「医療証」がもらえます。医療費を助成してもらう際は、医療機関でその証明書を提示する必要があるので、受診する際には忘れないようにしてください。

小児慢性特定疾病医療費の助成制度

小児慢性特定疾病医療費の助成制度は、小児慢性特定疾病を抱える子どもたちの医療費を支援する制度です。子どもたちの健全な成長を促進するため、患児の家庭にかかる医療費の一部を補助します。

対象となる疾患は、悪性新生物や糖尿病など、さまざまです。ただし、対象となる疾患であっても、疾患の状態や治療状態によって助成の対象かどうかが決まるため、詳しくは主治医に相談してみましょう。

また、対象年齢は18歳未満ですが、引き続き治療が必要な場合は20歳未満の人も含まれます。小児慢性特定疾病の助成制度の実施主体は、都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市です。

小児慢性特定疾病に関する詳しい情報は、小児慢性特定疾病情報センターのページをご覧ください。

参考サイト:厚生労働省「小児慢性特定疾病対策の概要

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当は、精神または身体に障害のある子どもたちの福祉を向上させるために支給される手当です。20歳未満で障害を持つ子どもを家庭で養育する親や保護者に支給されます。

支給額は障害の程度に応じて異なり、毎年4月・8月・12月に支給されます。ただし、収入が一定額を超える場合は支給されません。申請は、住所地の自治体の窓口で行いましょう。

参考サイト:厚生労働省「特別児童扶養手当について

障害児福祉手当

障害児福祉手当は、重度の障害を持つ子供たちの福祉を向上させるために支給される手当です。日常生活で常に介護が必要な在宅の20歳未満の子どもたちに支給されます。

支給額は、令和5年4月より月額15,220円です。毎年2月・5月・8月・11月に支給されます。ただし、一定の収入を超える場合は支給されません。特別児童扶養手当と同様に、申請は、住所地の市区町村の窓口で行います。

参考サイト:厚生労働省「障害児福祉手当について

自立支援医療制度

自立支援医療制度は、心身障害を軽減するための医療費負担を軽くする公費負担医療制度です。対象者は主に3つの医療受診者で、「育成医療」を受けている18歳未満の児童も含まれています。対象障害は、肢体不自由・視覚障害・内部障害などです。

医療費の一部は利用者が負担しますが、特定の所得基準を超える人には負担上限が設けられます。また、一定期間の経過的特例が設けられており、所得や治療の中間段階にある家庭にも支援が行き渡るよう配慮されています。

参考サイト:厚生労働省「自立支援医療制度の概要

ひとり親家庭に対する医療費助成

ひとり親家庭等医療費助成事業は、各自治体で提供されています。ただし、対象者の条件や助成内容については各自治体で異なるので、利用したい場合は、担当窓口に問い合わせてみましょう。

東京都では、医療保険の自己負担から後期高齢者医療の一部負担金を控除した額を助成しています。

参考サイト:厚生労働省「ひとり親家庭支援の手引き p80

GRN小児がん交通費等補助金制度

GRN小児がん交通費等補助金制度は、小児がん治療のために遠方へ通う患者や家族を支援する制度です。交通費や宿泊費が対象で、病院と自宅が片道100km以上離れている場合に適用されます。

20歳以下の小児がん患者と家族が対象です。世帯の所得によって補助の額が決まります。2020年6月支払い分から適用され、対象期間は、申請日からさかのぼった6ヵ月間です。補助額は世帯所得と移動距離に応じて最大年間10万円までとなっています。

必要書類を揃えて、東京都豊島区にある認定NPO法人「ゴールドリボン・ネットワーク」に申請しましょう。

参考サイト:認定NPO法人 ゴールドリボン・ネットワーク「GRN小児がん交通費等補助金制度

がん患者へのウィッグ購入費用助成制度

がん患者へのウィッグ購入費用を一部助成している自治体があり、がん患者へのアピアランスサポート事業の一環として始まりました。

アピアランスサポートとは、がんの治療に伴って変化する外見へのケアを行い、患者の苦痛を和らげるためのサポートです。ウィッグは、安くても3万円ほどするため、それぞれの自治体による助成内容によりますが、購入費用の半分を負担してくれる(上限3万円)この制度はとても心強いですね。

お住いの自治体で助成制度があるか対象になるか、確認してみてください。

参考サイト:岡山市「令和5年度からがん患者の方のウィッグ購入費用助成制度を開始しています

地域の保健師や自立支援員とつながろう!

小児慢性特定疾病児童等が利用できる補助・助成制度は多岐にわたります。自治体によって18歳までの医療費が無料の場合もありますが、子どもたちのライフステージに合わせたサポートを受けるためには、複数の相談窓口をもち、支えてくれる制度を知っておくことが大切です。

ただし、各自治体によって、小児慢性特定疾病児童は利用できる補助・助成の内容は異なります。医師やソーシャルワーカー、自立支援員等と連携し、利用可能な支援を専門職とも相談しながら活用しましょう。申請が必要なものは、忘れずに申請してくださいね。

補助・助成制度以外にも、病気による障害などで日常生活で困難な状況がある場合、身体障害者や難病の制度などで利用できる福祉サービスなどもあるので、困っていることがあれば地域の保健師や自立支援員にまずは相談してみてください。

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