この度、Yahoo!基金の新型コロナウイルス感染症『医療崩壊』防止活動支援プログラム に採択いただき、医療機関に貸し出しができるiPadを準備することができました。
病院内の新型コロナウイルス感染症対策は2020年6月19日現在も継続中のため、入院中の子どもたちとつながり、テレビ電話を通じた交流や学習支援など、少しでも子どもたちの不安や寂しさを解消でき、笑顔につながるプロジェクトです。
今回はiPadを使ってどのようにオンラインで学習支援をやるのか、同期型と非同期型を組み合わせた新しい方法についてご紹介したいと思います。
同期型のオンライン授業&学習支援とは
学校一斉休校の際にテレビ報道もされていたのが、主に【同期型】のオンライン授業だと思います。学校の教室に先生が一人でカメラに向かって授業を行い、自宅にいる生徒たちがタブレットPCやパソコンから接続して参加する方法です。
学校の授業と同じように他の友達と一緒に顔を見ながら先生の授業を聞いたり、発表したりすることができます。また、先生も生徒の顔を一覧表示で確認しながら授業をすることができます。
同期型のメリット
・生徒は学校と同じ時間割で授業参加できる
・生徒の理解度を顔の表情や音声で確認できる
・他の生徒と一緒に意見交換や討論、共同作業ができる
同期型のデメリット
・生徒の端末で見やすいようにカメラ調整、板書や教材準備が必要
・画面を見続けることになり集中力が続かない
・きょうだいがいる場合には、人数分の端末が必要になる
非同期型のオンライン授業&学習支援とは
入院中や自宅治療中の子どもたちの場合は、体調の変化や治療・検査の都合もあるため、子どもたちの都合に合わせて学習できるスタイルが必要になってきます。
2020年2月まで毎週火曜日と木曜日に病院訪問して行っていた相互交流や学習支援でも曜日を固定していると、どうしても人材的にも時間的にもミスマッチが発生していました。
非同期型ではGoogle ClassroomやMicrosoft Teamsのような生徒と先生をつなぐ中間点を作ることで、分からない問題について質問したり、課題を提出したり、他の友達と交流することができます。掲示板やグループLINEをイメージすると分かりやすいかもしれません。
非同期型の場合は下記のような映像授業を見てもらったり、先生が独自に撮影編集したビデオを見てもらうことでオンライン授業を行うことができます。また、一人ひとりの生徒に対して個別にメッセージを送ったり、苦手フォローできる点もメリットです。
学習支援については、分からない問題の写真をiPadで撮影してもらい、先生が都合が良い時に解説するメッセージを書き込んだり、手書きで書き込んだものを写真添付することで、非同期でもサポートすることができます。
非同期型のメリット
・一人ひとりの子どもたちに関わりやすい
・対面だと発言が少ない子も、文字だと発言しやすい
・きょうだいがいる場合でも、それぞれの時間で利用できる
・過去のやりとりが履歴として残るので成長や成果が見える
非同期型のデメリット
・相手の顔を見れないので定期的に同期型(テレビ電話)も必要
・システム構築や運用するためのICT技術担当者が必要
・生徒数が増えると返答の作業時間も比例して増える
同期型&非同期型を組み合わせた新しい学習支援
これまで紹介してきた、同期型と非同期型を組み合わせた新しい学習支援を、ポケットサポートは2020年7月から医療機関と協力して導入していきます。
非同期型の中間点として「Microsoft Teams」を構築、そして同期型には教育現場でも活用が広まっているZOOMを使っていきます。
医療機関にはWi-Fi環境や運用マニュアルなどを確認して頂き、Yahoo!基金にて購入したiPadを貸出していきます。医療機関ですぐに運用ができるように、タブレットスタンド、本体保護カバー、保管ケースも全てYahoo!基金の助成金にて購入させて頂きました。ご支援いただき本当にありがとうございます。
私たちポケットサポートとしても初めての試みで試行錯誤しながらの運用になると思います。それでも入院中の子どもたちのために、いま私たちができることがオンライン学習支援だと思います。
医療機関の医師・看護師、岡山市保健所、学校の先生方、教委育員会の皆様と協力しながらプロジェクトを進めていきます。
この未来への希望ブログ(活動ブログ)でも、新しいオンライン学習支援の成果や状況を改めて報告したいと思いますので、楽しみにお待ちください。