先日、香川県で活動中のNPO法人未来ISSEYさんのオンライン研修会に講師として参加させていただきました。今回は、その時に学生ボランティアの方から質問頂いた内容をご紹介したいと思います。
NPO法人未来ISSEY
未来ISSEYは、18歳までの小児がん・心臓病など慢性的な疾患をもつ長期入院・治療が必要なお子さんとそのご家族を支援する法人です。
メンバーはポケットサポートの支援を受けたことのある経験者の親を中心に、2018年11月に立ち上がりました。設立後もポケットサポートとの関わりのある団体さんです。
http://miraiissey.com/dream.html
未来ISSEYのグッドブラザー研修会は、月1回、学生ボランティアとして活動するときの悩み相談
コミュニケーション能力・サポート力向上のために定期的に開催しています。
学生ボランティアからのQ&A
今回は、最近ボランティアに参加したばかりの人やこれから参加をする人を中心に声掛けのワークや、質疑に応答する形での研修を行いました。
その内容から一部抜粋して子どもたちとの関わりのヒントをお伝えします。
Q1:前に関わったお子さんで折り紙が好きな子がいて、「折り紙やってるの?」と聞いたら「最近体調悪くてしてないんだよね。」の返答。
答えに困って・・どう返したらいいですか?
すべて子どもが何かをしなければならない訳ではないので、相手に委ねてみたり、こちらに委ねてもらったりしながら関係性をつくっていくのも良いと思います。
「私これ、折ってみようと思ってるんだけど、どうかな?見てもらって一緒に手伝ってもらっていい?」と返したりしてみるのはどうですか。
その子が挑戦したかったものを知っているなら、「次、私、これに挑戦しとくからねー」とその子に宣言しながら、折り紙というツールを使って次の約束をするということもできると思います。
Q2:初めて関わる子に「悪いように思われたらどうしよう・・」などと思い、緊張してしまいます。どうしたらいいですか?
まずはコミュニケーションの手始めとして、その子に「何て呼んだらいい?」って聞くところから始めるといいかもしれませんね。名前を覚えてもらうとか、自分の名前を呼んでもらうとかどうですか。
以前、話するのが不得意なボランティアの人が、パペットを使って、腹話術で「こんにちは、○○だよ」という方法を用いていました。喋りづらいときは、そんな風に人形に喋りにくいところを、代わりに喋らせてしまうっていうのも良いかもしれません。小さい子とかなら特に有効ですよ!
Q3:リモートでは画面がかたまることも多いですが。その後、回復した時どう対応したらいいか教えてほしいです。
失敗とか・トラブルっていうのは誰にもつきものだし、子どもにとっては「大人も失敗するんだ~!」って思ってもらうこともとても大事だと思うので。
その誰のものでもない失敗もネタにしてしまうのはどうでしょうか。
「私、変顔になってなかった~??」「びっくりしたねー!」「固まってる間、何してたん?」最近だったら「時を戻そう!笑」とか、その後のやりとりを楽しくしていくネタにしてしまうとか良いと思いますよ。
研修に参加されていたみなさんからは、とても熱意をもって活動に参加されていることや、温かい気持ちを持っていることが伝わってきました。子どもたちとの今までの関わりから、学んできたことをお伝えしながら、ボランティアの方々の質問に答えさせていただきました。
さいごに
病気を抱える子どもたちや、そのきょうだいへの支援に対する「声掛け」には、戸惑うことあります。まして初めての場合には困難に感じるかもしれません。
「声掛け」に正解はありませんが、明らかな不正解はあると思います。それはネガティブな言葉や否定的な言葉遣い。
「この人だったら、話をしても良いかもしれない」
「自分のことを考えて言葉をかけてくれている」
その信頼関係こそ、私たちが活動の中で大切にしていることです。
今後も未来ISSEYさんはじめ、様々な団体の方々と研鑽を積みながら、日々の活動に活かしていければと思います。