病気を抱える子どもと、スポーツ・格闘技の親和性

コラム

病気を抱える子どもたちは、病気そのものへの影響や、治療の妨げになることから、スポーツや格闘技など激しい運動を伴うことを禁止されることがあります。

しかし、子どもたちが病気により運動を禁止されている⇒逆にやりたいと思う(カリギュラ効果)⇒やらせてもらえない⇒スポーツや格闘技が嫌いになるという、単純な理屈ではなさそうです。
スポーツや格闘技ができない、禁止されている体でありながらも、それを好きでいたり興味を持っている子どもたちは多くいるのです。

今回のコラムでは少しその辺りの、病気を抱える子どもと、スポーツや格闘技の親和性について考えてみたいと思います。

先日、小さい子どもの頃から病気だった当事者たちで
「もし、病気じゃなかったらどんなスポーツをやってみたい?」という話題で盛り上がりました。

「中学時代にやったことのある卓球を続けられたから、友達ができた」

「バク転とか、アクロバットな動きができるようになってみたい」

「ゲームでテニスやゴルフやったことあるから、それならルールわかるからやってみたい」

そのときに印象的だったのは、それぞれがあまり経験したことのないスポーツに対し各自が抱えていたポジティブな思いを語っていたことでした。

私自身も、子どもの頃から病気を経験した当事者ですが、現に、野球やサッカー、家族がやっているテニスやゴルフなどの競技を観戦することも好きですし、体調の良いときに、軽い運動をすることは嫌いではありません。特にここ最近は、プロレスの試合を毎週のように鑑賞したり、直接観戦することも趣味となり、生活の一部となっています。

憧れの対象として

先ずは、スポーツ選手や格闘家などのアスリート自身に憧れを抱くということがあります。

そのルックスのすばらしさに魅了され、身体能力や技術を活かした華麗なプレー、努力の結果たどり着いた勝利や結果からくる心を打つ発言や、マイクパフォーマンスにも勇気をもらいます。

特にトップアスリートとなると素晴らしい人格者である方も多く、その見た目や内面に憧れを持つことは病気を抱える子どもだけでなく、誰しもあるのではないでしょうか。

身近な存在として感じられる

次に、アスリートが身近に感じられるという場合もあります。

アスリート個人やチームが医療機関にいる病気の子どもたちへのチャリティなど、支援を行っている姿をメディアを通して見ることがあります。
そのシーンから、「もしかすると、自分のところにも来てくれるかもしれない」「病気の人のために優しい気持ちでいてくれている」など、親近感を持てることがあります。もちろん、そのチャリティ先で直接アスリートに出会う事ができた子どももいます。

関わった子どもの一人に、大相撲が大好きな子がいました。当時の横綱に手紙を送り、巡業で近くにきた際に、病院から特別に外出の許可を貰い、会いに行ったというエピソードがあります。
そのときに横綱と一緒に写っていた笑顔の写真を見せてくれ、手が大きかったとか、思い出話を笑顔でしてくれたことを、鮮明に覚えています。

このように病気である自分に対し、優しい思いをもって接してくれるということから、さらに身近に感じられるという側面もあります。

自分自身と重ね合わせることができる存在

また、個人的な意見でもありますが、プロレスの試合の中、レスラーは倒されても、叩かれ体が腫れあがっていても、血を流していたとしても、何度も立ち上がり相手に向かっていきます
その姿に、病気やその治療で苦しい中で容姿が変わってしまったり、今までのように自由に動けなくなりくじけそうになっても、応援してくれる人たちがいることから「ひとりじゃないんだ」と思いにつながり、自分自身に重ねることができます。

その他、格闘家やアスリートの人たちがその体やパフォーマンスの維持のため、食事の制限や好きなものを我慢しながら競技に打ち込むというシーンも目にします。


病気を抱える子どもたちも、食事や運動など生活に制限のある中で頑張っている子も多く、我慢しながら「病気を治す」という大きな目標のために日々を過ごしています。

先のレスラーが奮起し立ち上がる姿もそうですが、自分の理想を描き、目標に向かっている姿に、病気を抱えながら頑張る自分を重ね合わせ、共感し感動することにも繋がることがあるのです。
さらに病気の治療していく生活というのは、多くの人たちが関わり、ひとつのチームとして子どもを支えていくという側面もあります。こういった点もスポーツや格闘技に通じる部分なのではと感じます。

まとめ

以上のようなことから、病気による困難を抱えた子どもたちにとって、スポーツや格闘技を見ることや応援することは、アスリートに憧れを抱き、その優しさや心の大きさに触れ、頑張る人たちの姿に自分を重ね合わすことができる。チームワークによって大きな目標を達成してくという、親和性の高さを持っているのではないかと考えられます。


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「サポート企業」の方々は、私たちの活動はもちろん、「病気を抱える子どもたちが将来に希望を持って自分らしく暮らせる社会」というビジョンに共感頂き、物資などの寄付のみならず様々な場面で、子どもを笑顔にするための活動を支えて頂いています。

いつか、スポーツ団体や格闘技の団体などともコラボし、新たな形で子どもたちの希望や夢に繋いでいける。そんな日が来ることを、憧れのプロレスラーの台詞を借りて「トランキーロ!焦らずに」夢見ながら、これからも活動を続けていきたいと思います。

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