サポートブック制作の経緯
平成30年度備前県民局協働による地域づくり事業として採択された「病気を抱える子どもの地域支援ネットワークづくり事業」において、慢性疾病を抱える子どものサポートブックを制作しました。備前県民局管内において病気を抱える子どもとご家族を各地域で支えるために、教育・保健・福祉・医療関係者の理解と連携を広げていく目的で制作し、学校園や大学・医療機関・薬局等へ約5,000部を配布しました。
サポートブックの内容
この冊子は保護者、学校教員、医師、看護師、行政関係者の皆様にご覧いただきたい内容として構成してあります。また、備前県民局管内を配布対象としているため、一部の情報に関して地域限定となっておりますことを予めご了承ください。このような冊子が各市町村、都道府県ごとに制作され、一人でも多くの子どもや保護者の皆様にとって支えになることを願っております。
備前県民局管内で開催したキャラバン講演会の様子
備前県民局管内の３つの市町にてキャラバン講演会を開催しました。それぞれの市町の教育委員会、保健師の皆様にもご協力いただき、地域支援ネットワークを構築するための関係構築の第一歩を踏み出すことができました。
各地域の支援団体や自立支援協議会の皆様にもご参加頂き、慢性疾病を抱える子どもに関する理解や復学支援、感染症対策、心理的なケアに関して幅広く知っていただく機会となりました。
また、それぞれの地域で困っていること、悩んでいることに関して、共有する場ともなり、2018年7月に発生した西日本豪雨災害を受けて自然災害時の対応についても改めて考える機会となりました。
岡山市で開催した備前県民局キャラバン講演会の様子
３つの市町でのキャラバン講演会後に、岡山県立図書館を会場に各地域の事例共有や取り組み紹介を行う場を設けました。教育・医療・福祉・保健・行政関係者や地域支援団体担当者、地域の薬剤師や企業経営者など多様な関係者にお集まりいただき、「病気を抱える子どもたちのために私たちにできること」をグループワークで討論しました。貧困や不登校など子どもたちに関する多様な課題がありますが、病気を抱える子どもたちについても保健所や地域の皆様と一緒に課題解決していくことの重要性を改めて実感する時間になりました。
慢性疾病を抱える子どもと保護者の気持ち
ポケットサポートが平成29年度岡山市市民協働推進ニーズ調査事業でアンケート調査をした、慢性疾病を抱える子どもと保護者の不安や悩みを掲載しています。治療への不安だけでなく、友人関係や家族との孤立など子どもにとっては非常に大きな精神的ストレスを抱えています。また、保護者の方からは命を救うことが最優先ですが、同世代との交流や学習サポート、退院後の相談窓口の重要性を感じる調査結果となりました。
支援者が大切にしたいポイント
ポケットサポートの活動を通して、子どもたちや保護者の皆さんにお伝えしているポイントをまとめています。入院中は同じような長期入院を経験している子ども同士、保護者同士で共通の思いがあるからこそ分かり合える存在でした。退院後、復学すると友達と同じように走ったりできない、食事制限がある、午前中登校や保健室登校から始まることもあり、相談できる友達がいない状況もあります。そんなとき、家族だけで考え込むのではなく、ぜひ地域のサポート窓口（保健所やポケットサポートのような支援団体）を有効活用して、解決のヒントを見つけてほしいと思います。
豪雨や地震などの自然災害に備える
下記の情報は備前県民局・備前保健所において制作している災害時の非常持ち出し品です。他の市町・都道府県の方は、お近くの保健所や医療機関等で必要な持ち出し品をご確認ください。
各種相談窓口の記入欄
災害時はもちろん、進学や就職など様々なライフステージの中で、困ったり悩んだりする場面が出てくると思います。そんなときに、相談できる医療機関や、かかりつけ薬局、地域支援団体の相談窓口の連絡先をメモできるページを作りました。
まとめ
サポートブックの紹介を、最後までご覧いただきありがとうございます。今回のサポートブックのようなツールが、入院病棟や院内学級、保健所や病院外来窓口、学校の保健室等に配備され、保護者の方はもちろん、支援者の方が困ったときに有効活用できるガイドとして役立つことを願っています。
実際に今回制作したサポートブックを見てみたいという関係者の方がいらっしゃいましたら、下記のポケットサポートへの問合せフォームからお問い合わせください。数に限りはありますが、できる限り準備して郵送させていただきます。地域の保健所や教育委員会と協働して制作した【慢性疾病を抱える子どもを支えるサポートブック】として、岡山から全国へ発信することができうれしく思います。
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