3月~4月にかけて卒業式や入学式のシーズンです。
コロナ禍で感染症対策のため病気を抱える子どもたちは出席できない場合や、入院治療中で参加できない場合も珍しくありません。今までは諦めることしかできなかったかもしれませんが、緊急事態宣言などテレワークやテレビ会議・オンライン授業などが急速に普及したことから、学校行事などもオンライン中継して参加することができるように少しずつ変化しています。
今回は、ZOOMでの利用を想定して卒業式や入学式をテレビ会議システムを使って中継するために必要なICT機器をまとめたいと思います。学校現場の先生や医療機関のスタッフの皆さんにご覧いただき、機材選定の参考にして頂ければ嬉しいです。
ビデオカメラ(ズーム機能重視かつHDMI出力端子が必須)
授業の中継や複数人での交流の場合はパソコンに内蔵されているWEBカメラや、外付けのUSB接続タイプのWEBカメラを使ってカメラ映像を送受信することが一般的です。
今回は学校行事を体育館の2階や後方からステージまでズームして撮影する必要があります。そのため、一般的なWEBカメラにはズーム(望遠)機能が付いていないため、ビデオカメラを接続する必要が出てきます。
また、ビデオカメラの中でも高画質4Kカメラより、ズーム機能や手振れ補正が充実したものを選ぶことがZOOM中継には重要になってきます。ネット回線の状況により高画質な撮影をしても、データ量が大きくなるだけでZOOMソフト処理速度や、インターネット通信環境に負荷がかかる場合があります。
高画質な映像を届けたいという場合は高速で安定した有線インターネットがしっかりと準備でき、高性能なパソコン環境が送信側と受信側にしっかりと準備できる場合のみ使うようにしましょう。
予算的な制限もありますが最低でも光学10倍のズーム機能があれば一般的な学校の体育館の後方からステージ上の人物の表情が分かるまでズームできると思います。予算に余裕がある場合は光学20倍までズームできるビデオカメラをレンタルするなど、現地下見や事前リハーサルができない場合にも柔軟に対応できると思います。
HDMI-USBキャプチャーデバイス
ビデオカメラからHDMI端子で出力した映像と音声をパソコンにUSB変換して取り込むためのアダプタ(デバイス)です。様々な種類のキャプチャーデバイスが発売されていますが、他に電源なども必要なくコンパクトなので持ち運びもでき中継現場で邪魔にならない設営ができます。
集音マイク(円卓用・360度集音)/スピーカー
ビデオカメラに内蔵されているマイクを使うことも可能ですが、参加型のイベントなどの場合には机の上に1つ置いておき、ZOOMソフトのマイク切り替えでビデオカメラと集音マイクを切り替えながら使うこともできます。
双方向でやり取りをする場合にはスピーカーで会場にも音声が聞こえるように準備をしないといけません。パソコンに内蔵されているスピーカーでは最大音量にしても小さい場合がありますので、外付けのスピーカーや会場備え付けのミキサーやアンプに接続すると一体感のあるイベントを開催することができます。