みなさんは活動の記録をどのように残していますか?
日々の支援記録は紙の手書き、保護者からの問い合わせや相談内容は職員間のメール、イベントの参加者名簿はエクセルと、様々な情報がバラバラになっているのではないでしょうか。実際にポケットサポートでも、担当者に聞かないと日々のオンライン支援活動の中でAくんと関わった日時、活動内容、保護者とのやりとりがあるか、どんなメールをやり取りしているか、学年や困りごとなどを確認することができていませんでした。
また、相談事例によっては保健所や教育委員会、医療機関へも情報を共有して、行政サービスへつなげたり、地域の担当者をご紹介することもあるため、今までの履歴や関わりの状況を把握・整理して、他の職員が電話応対した際にも進捗を確認できると、よりスムーズなアフターフォローにつながると感じていました。
Salesforce(セールスフォース)を導入して変わったこと
感染症対策のため職員が在宅勤務中心になったこともあり、定期的なミーティングや雑談の中での最近のAくんやBちゃんの話題などもなかなか共有しづらくなっている状況がありました。
セールスフォースを活用し始めたのは2019年頃からですが、主に寄付者や支援者の管理を中心に使うことから始めており、もっと活用することができないかと模索する中で、株式会社セールスフォース・ドットコムのプロボノ支援でもご協力いただき、子どもたちや保護者からの相談事例や活動履歴の機能を拡充することに着手しました。
既に基本的な入力項目は設定できていたので、子どもたちの情報や事例(ケース)登録をする仕組みと流れを設計して、入力する職員への権限付与や使い方の勉強会をしながら微調整していきました。
まだ不十分で完璧ではありませんが、Salesforceというツールを活用することでポケットサポートの業務や職員間の情報共有、相談者へのアフターフォロー、行政や関係機関との連携など様々な部分で効果が出てきています。
つながりを継続してワンストップで支援活動につなげる
具体的には入院中にオンライン支援をしていたAちゃんのお母さんから、退院後に医療機関から配布して頂いたポケットサポートのパンフレットをご覧いただき、退院後も学習の遅れが気になるのでオンラインで自宅とつないで学習支援をしてほしいと電話連絡を頂きました。
お子さんの名前から5月頃から6回ほど一緒に算数や国語の勉強をしており、どんな様子だったか、どんなゲームやキャラクターが好きなのか、病状で注意が必要なことなどが Salesforce に記録されていました。
お母さんからの電話の後、入院中の支援を担当した職員でなくても、Salesforce に記録されている情報を見ながらメール文面を作成することができ、支援中に気を付けること、学習したい内容などを継続してサポートすることができました。
担当者の記憶頼みのままでは、「担当者に確認してからの返信」や「後日、担当者からの返信」、最悪の場合は思い出すことができずに対応するという対応になってしまいますが、情報を頭や紙ではなく、デジタル化して Salesforce に集約することで『つながり』を継続したワンストップの支援になった瞬間でした。
迅速な情報共有やリマインドで業務効率化したい
現在、株式会社セールスフォース・ドットコムのプロボノ支援で3名の社員さんにご協力を頂いて機能拡充を進めています。
特に自動化(フロー、プロセスビルダー、メールアラート)や、アンケート機能、2022年2月にMFA(多要素認証)が必須になることへの対応についてサポートをお願いしています。
ポケットサポートが実施する子どもたちへの日々の支援活動だけでなく、寄付者や支援者とのつながりを継続・拡充させていくためのツールとしても重要になっている「 Salesforce 」(セールスフォース)
今後は相談内容に応じて連携先となる保健所や教育委員会などに自動的に通知が送られるメール機能や、アカウントを配布しての事例検索、他地域やセンター担当者への事例紹介など、入力された情報を活用するための機能を増やしていきたいと思います。