Salesforce導入で可視化された「仲間とのつながり」

お役立ち

今回はポケットサポートが実施する相談支援や交流支援活動など様々な事業の情報基盤となっているSalesforce(セールスフォース)についてご紹介します。当団体ではSalesforceを2018年に導入して以来、様々なステークホルダーの方の情報や関係性などを蓄積していき、もっとポケサポに共感いただいたり、ファンになっていただく取り組みを進めています。

今回ご紹介する内容は、エクセルでの情報管理に限界を感じていたり、事業規模に応じてリニューアルを考えているシステム管理者の皆様にとって有益なものになれば嬉しいです。

Salesforceは、会員・寄付、イベント参加等の支援者情報やその他の各種業務に関する情報等をクラウド上で一元管理し、活用できる顧客管理アプリケーションです。

Salesforce では、一定の基準を満たす非営利団体に対して製品を寄贈・割引提供する Power of Us プログラムを実施しています。非営利団体が業務効率化を図り、より多くの時間やリソースを社会的ミッション達成のために注力できるように。そして、世界中のコミュニティが向上していけるように。私たちは、これを Power of Us プログラム と呼んでいます。

現在、世界中の 31,000 を越える非営利団体が Power of Us プログラムを利用し、社会の諸問題の解決に取り組んでいます。

製品の1%

どれくらいの規模&業務でSalesforceを使っているのか

どのような人数や事業規模でSalesforceを運用しているのか、イメージをつかんでいただくため上の図のようにまとめました。

主に日々の業務で情報の入力や更新などを行っているのは2名のみ。クラウドファンディングの実施後など、多くの情報登録作業や確認作業が必要な場合のみパートスタッフにも協力してもらい、ダブルチェックなどを実施しています。

年間の事業規模としては2000万円、受取寄付金は600万円で約1200件の寄付金受領証明書を発行しています。

▼直近の年次報告書
https://www.pokesapo.com/report

2018年のSalesforce導入当初はこれまでの利用者や寄付者の方へメールマガジンを送信するツールとして使いながら、操作方法や活用できる部分を模索するフェーズ。

2019年から本格的に寄付金の入金情報やイベントの参加履歴などを入力して、一元管理するようになりました。毎年、少しずつバージョンアップを行いながら、時にはSalesforceのプロボノ社員さんにもお世話になりながら、業務効率化や情報連携できそうな部分を見つけて拡張していくようなイメージです。

現在では、保護者や子どもたちからの相談内容、日々の活動日報や学生ボランティアの活動履歴、WEBアンケートの回答結果や世帯管理の機能も拡張することができています。

業務内容として書き出してみると幅広く、寄付金管理だけでなく利用者(子ども・保護者)も含めたすべてのステークホルダーに関する情報を一元管理しているのが当団体のSalesforce活用の特徴です。

実務で活かせるSalesforce活用ノウハウ3選

今回は、多くのNPO団体さんで活かせるノウハウとして、寄付金の管理、ボランティア活動日報、アンケート回答履歴の3つの内容をご紹介したいと思います。

①寄付履歴(都度寄付)

現金受取、カード決済、銀行振込、現物寄付などの情報を支援者ごとに入力して管理。

月末締めで様々な入金方法からの情報を集約してSalesforceの商談に入力していき、一覧データとして印刷&CSV出力を行います。一覧表をもとにお礼状の作成を行い、CSVファイルをAccessに取り込み2次加工を行うことで寄附金受領証明書への差し込み印刷と宛名ラベルの発行を行っています。

②ボランティア活動日報

毎回の活動終了後にWEBフォームから活動内容を報告。Web-to-リードでSalesfroceに取り込みを行う。

学生ボランティアごとにSalesforceライセンスを割り当てることは予算的にも現実的ではないため、WEBフォームで回答された内容をWEB-to-リードでリードに自動取込を行います。その後、名寄せと活動レコードへの移行作業は、フローを活用することで効率化しています。

③アンケート回答履歴

リストメールでアンケート送信時にGET値としてSalesforceIDを追記することで名寄せ作業を効率化。

イベント参加者アンケートやメルマガ読者アンケートなど、様々なアンケートをリストメールで送信する際にURL部分GET値としてSalesforceIDを個別に入れて送信することで、回答者の名寄せ作業を効率化しています。

毎回異なるアンケート項目でも、インポートウィザードで取り込めるように質問文と回答文を予め20項目ずつオブジェクトで作成しておくことで、対応しています。アンケート結果は全体集計だけで利用されるケースが多いですが、それぞれの支援者が回答した内容を蓄積することで様々なつながりが見えてきます。

団体への共感やファンドを高める方法を考えるきっかけに

ポケットサポートとつながっている人、ほぼすべての情報がSalesforceに集約されていると言っても過言ではありません。そして、ひとり一人がポケットサポートのどのイベントに参加してくれているか、どんなメルマガを読んでくれているか、過去に寄付をいただいたり、個別相談の有無まで「つながり」を可視化することができています。

可視化できたことで、もっとポケサポへの共感やファンになってもらうためにはどうしたらよいかという次の戦略を考えるきっかけになっています。

例えば過去にポケサポイベントに参加してくれた子どもたちが成長し、小学校卒業のタイミングでお祝いのメッセージやプレゼントを贈ることや、直接お会いしたことがない寄付者の職業や寄付をいただいた経緯などを把握することで御礼のメッセージも変わってきます。

まただま活用できる余地がたくさんあるSalesforceですが、柔軟に機能拡張できたり、レポート集計できる点はとても優れていると思いますので、小規模から導入して少しずつバージョンアップしていくという方法もおすすめです。

TrailblazerとしてNPOのDXを支え、情報化への革新に挑戦する

9月3日に開催されたNPO Salesforce 活用共有会にてポケットサポートの活用事例を事務局長の奥田から紹介させていただきました。

小規模だから手打ち入力でもできている部分もあれば、少人数でも年間1200件の寄付金受領証明書を一括管理できているシステム。子どもたちや保護者、専門職の方や寄付者も含めて様々なステークホルダーとのつながりを可視化できたのは、Salesforceさんのご協力のおかげです。

とても光栄なことで、Salesforceを活用して革新に挑戦する人々、「Trailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)」の証であるパーカーをいただくこともできました。

これからはSalesforceを使う立場だけでなく、伝え広める立場としても、先駆者としてチャレンジしていきたいと思います。

ポケットサポートでのSalesforce活用事例や、もっと活用するにはどうしたらいいか分からないという団体さんがいらっしゃいましたら、お力になれる範囲で協力したいと思いますので、ご相談くださいね。

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