支援者スキルアップワークショップ「一人ひとりにできることを考えよう」

活動記録

「晴れの国岡山」で朝から珍しく小雪がちらついた2月24日(月)、公益財団法人ベネッセこども基金との協働開催による病気療養児支援・多職種連携フォーラムが岡山国際交流センターの多目的ホールにて開催されました。今回のフォーラムのタイトルは「子どもたちの心の声に寄り添う」~病気と共に生きる子どもたちを支える仲間~です。

第1部は現地参加の人と行う支援者スキルアップワークショップです。寒波の到来で雪の影響が心配される中、遠くは静岡、また大阪、兵庫、島根、高知などから全体で20名近くの方にお集まりいただきました。地元岡山からは大人の人以外にも中学生や高校生、大学生も参加してくれました。

住む場所も年代も様々な人たちの集まりにワクワク感が高まります。そこに午後の部でパネルディスカッションをしてくださる団体の方々、ベネッセこども基金の事務局の方々も加わって、まずは自己紹介の始まりです。机の上に置いてあるラベルシールに、ワークショップの間だけ使う「自分が呼ばれたい名前」を決めて書いてもらい胸に貼ったあと、順番に所属とお名前、呼ばれたい名前の紹介をしました。

進行役の我々は「けいこ先生」と「まこっちゃん」です。参加者の方々に呼んでいただく機会がなかったのが残念ではありましたが(笑)参加の皆さんの呼ばれたい名前も本名に近い人、小さい頃のニックネーム、由来を聞かないと結びつかない人など、なかなか個性的でした。会場の空気も温まってきたところで、選んで取ってもらったサイコロの色別にグループに分かれてもらいました。

最初のグループワークは「共感の気持ちを育むグループワーク」です。

グループごとに紙皿12枚、プラカップ12個を使って12階建てのお城を築いてもらいます。合図と共にグループのメンバーが順番に、伏せたプラカップの上に伏せた紙皿を置き、その上にプラカップ、紙皿と交互に積み上げて築城します。さらに3番目、5番目、7番目、9番目、11番目の伏せた紙皿の上には1個ずつサイコロを置くという条件も加わります。

制限時間は10分!

最初からどんどん紙皿やカップを積み上げて試してみるグループ、まず作戦会議をしてから取りかかるグループ。どのグループも初対面同士の人たちが声を掛けあって一生懸命築城しています。ほとんどのグループが8階以上の立派なお城を築いていましたよ。

このグループワークを振り返っての気づきや感想を発表していただきましたが、「同じ目標をもって活動すると初対面でも気持ちが近くなれる」「自分の役割をみつけようと努力できたり、相手の特性を活かせるよう考えたりして連携できたことが嬉しかった」「制限時間の最後の方でお城を崩してしまったけれど、最終評価でなくて制限時間内に積み上げた階数で評価してもらえるのが、過程を大切にしてもらえているようで嬉しかった」など貴重な気づきを聞かせていただきました。

10分間の休憩の後は「自己概念の違いに気づくグループワーク」です。

病気で入院することになった中学生のケースを想定して、生徒・その母親・生徒のクラス担任、それぞれの心の中のつぶやきを音声で流します。

このワークで使用した、心の中のつぶやきの原稿はポケサポオリジナルのものですが、プロナレーターの方に朗読をお願いしたことによって、聞き手がそれぞれの人物の気持ちを連想しやすくなるという効果を感じました。予算の都合もあるかとは思いますが、ワークショップに使用する音声資料は朗読のプロに任せるのもオススメです。

入院することになった中3の女子生徒、その母親、担任の先生の心の中のつぶやきを、プロのナレーターが情感豊かに朗読し、それを聴いている参加者も情景を思い浮かべながら、課題について真剣にメモをしていきます。まずは個々に課題を見つけ、その後グループのメンバーと課題の解決方法について話し合うのですが、どのグループも設定した時間を超過する熱の入りようで、病気の子どもの支援についてしっかりディスカッションしていたのが印象的でした。

入院する中学生が抱え込んでいることを話せる仲間づくり、病気の子どもやきょうだい児、自分の仕事といろんなことがのしかかっている母親が相談できる窓口、担任の先生がしようとしている支援が独りよがりにならないために学校でサポートする体制を構築するには、等々それぞれのグループの解決方法の案を聞いていると、共通するものがありました。

それは、当事者や関係する周りの人々に困りごとを抱え込ませないために、困っていることや不安に思っていることを言う機会や場を作る大切さです。調整役としてCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)の紹介もありました。

最後の感想の場面で、社会人の方が「こういったワークショップで中学生と一緒に話し合える機会は今まで経験したことがなかったので、今日は若い世代の柔軟な発想が聞けてとてもおもしろかった。」とおっしゃってくださり、グループにいた中学生も満足そうでした。

幅広い年代の参加者を全国各地からお迎えして、第1部は和気あいあい楽しく、そして充実した2時間となりました。

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